◆パレオ協会ニュースレター◆  『グリホサートの悪影響を軽減する方法』


日本はもちろんのこと世界中でGM(遺伝子組み換え、遺伝子操作)作物およびグリホサート(グライホセイト)汚染が拡大しています。

グリホサートを推進している団体(グリンピースに出資していたパトリック・ムーアなど)や農家では、グリホサートをグラス1杯飲んでも影響がないと豪語していますが、本当でしょうか(『Lobbyist Claims Pesticide Is Safe to Drink, Refuses to Try Himself』Greenpeace, March 24, 2015)?

私たちが現在暴露している平均のグリホサート量の1/10~1/100の超微量の濃度であっても、肝臓および腎臓といったデトックス臓器にダメージを与えることが動物実験でも明らかになっています(Transcriptome profile analysis reflects rat liver and kidney damage following chronic ultra-low dose Roundup exposure. Environ Health. 2015 Aug 25;14:70)(Multiomics reveal non-alcoholic fatty liver disease in rats following chronic exposure to an ultra-low dose of Roundup herbicide. Sci Rep. 2017 Jan 9;7:39328)。

肝臓や腎臓が真っ先に影響を受けるのは、グリホサートやその代謝産物が他の組織より10~100倍高い濃度で蓄積するからです(German Federal Agency BfR. The BfR has finalised its draft report for the re-evaluation of glyphosate. 2014)。

さらに、長寿の実験で使用される線虫に与える影響を調べた研究では、現在私たちが暴露しているグリホサートの最低許容量の1/300の超微量の濃度であっても、痙攣を助長することが報告されています(Roundup and glyphosate’s impact on GABA to elicit extended proconvulsant behavior in Caenorhabditis elegans. Sci Rep. 2022 Aug 23;12(1):13655)。

元々グリホサートはエストロゲン作用を持つため、妊婦が暴露することによる催奇形性の問題が指摘されていました。(Glyphosate induces human breast cancer cells growth via estrogen receptors. Food Chem Toxicol. 2013;59:129–36)(Teratogenic effects of glyphosate-based herbicides: divergence of regulatory decisions from scientific evidence. J Environ Anal Toxicol. 2012;S4:006)。

動物実験では、さらにグリホサートの悪影響が詳細に調べられています。

糖のエネルギー代謝をブロックする作用があるのです。特にミトコンドリアのTCA回路、電子伝達系(複合体I)に関わる酵素をブロックすることで、細胞のエネルギー代謝を止めてしまいます。そして、一酸化窒素(NO)の発生、プーファの脂質過酸化反応の促進が起こります(Inflammatory, Oxidative Stress, and Apoptosis Effects in Zebrafish Larvae after Rapid Exposure to a Commercial Glyphosate Formulation. Biomedicines. 2021 Nov 27;9(12):1784)。このことによって、肝臓や腎臓で線維化(肝硬変など)や組織の壊死が起こります。

超微量のグリホサートでも悪影響が出るのは間違いありませんが、それを避けるには自然栽培の作物を選ぶしかありません。残念ながら、オーガニックと呼ばれるレベルの作物では、グリホサートまみれの作物と混合(一緒に運搬・販売)されることで、汚染されています。

グリホサートの悪影響の原因としては、グリシンの作用をブロック(現代薬理学では、グリホサートはグリシンの受容体(GABA receptor)に結合するとしている)するものです(Roundup and glyphosate’s impact on GABA to elicit extended proconvulsant behavior in Caenorhabditis elegans. Sci Rep. 2022 Aug 23;12(1):13655)。グリシンの作用をブロックすることで、細胞を興奮状態に陥れて、炎症を加速させます。

したがって、プーファフリーは大前提ですが、グリシンやそれを含むコラーゲンは、現代のグリホサートパンデミックの世界では、必須になってきます。またタウリンもグリホサートの影響を軽減できます(GABA receptorに結合)。

原始人食は野菜やGM作物の代表である大豆、トウモロコシはほとんど摂取しないために、普通の食事をしている人よりはかなりグリホサート汚染の程度は軽くなっていますが(動物性食品の方が、作物よりもグリホサート汚染程度が軽い)、それでも水道水、大気中にまで広く汚染している現状では、やはり何らかの対策が必要になってきます。

2023年4月22日
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