口内炎とは

医師の﨑谷博征と申します。私たちは強いストレスが続いたり、精神的に疲れたりすると口内炎ができます。また抗がん剤、免疫抑制剤、ステロイドの長期服用などによって免疫系が抑制されていると口内炎を発症いたします。

とても強い痛みを伴うために、生活に支障がでます。痛みで十分に食事が摂れないために、放置していると全身が衰弱していきます。口内炎は決してあなどれない病気です。大抵は十分な休養をとり、体力が回復すると自然治癒します。しかし、難治性のものや幾度も再発するものがあります。そもそも免疫抑制剤や抗がん剤を使用している場合は、免疫系が抑制されますので、自然治癒はありません。

口内炎を起こすものはウイルスが主体ですが、バイ菌(バクテリア)や真菌が原因の場合もあります。

口内炎の自然治癒法

口内炎は、物理的な圧迫などの原因を除き、全身の慢性炎症の局所症状として出現します。決して口腔粘膜だけの問題ではありません。口内炎発症の原因は、全身に慢性炎症を起こすトリガー(誘因)がどこにあるのかを突き詰めることで明らかになります。

慢性炎症が起こる最大の原因として、腸からの自己免疫誘発源(Autogen:オートゲン)の侵入があります(腸粘膜に穴が開き、そこから異物や未消化のタンパク質が侵入する「リーキーガット」という現象です)。

その他にも皮膚(経皮的)、あるいは気道、肺の粘膜など外界の異物に接する場所から慢性炎症を起こす物質が入ってきます。

こういった異物侵入と各個人の遺伝子の相互作用で炎症を起こす濃淡が変わってきます。
では、口内炎はどうやれば進行を防ぎ、治癒させられるのでしょうか?

口内炎の根本治療として以下の4つのステップを実行して頂いております。

口内炎の自然治癒法4項目

1.自己免疫誘発源となるウイルス、バクテリア、食品、毒性物質などを避ける。

2.ナチュラルパレオレベル:食事法で腸からの自己免疫誘発源の侵入を断つ(リーキーガットを防ぐ)。

3.ファイトネスパレオレベル:私たちの遺伝子に適合した運動を取り入れることで慢性炎症の促進物質であるインシュリン、レプチンを低下させる。またトコンドリアの数を増加させることで慢性炎症を抑える。

4.メディカルパレオレベル;ライフスタイル改善で完全に自然治癒させる(食事を含めトータルした生活習慣改善を行う)

この4つのステップは欧米の一流医学雑誌にすでに多数掲載され、実績のある「パレオ食事法」をベースとした自己治癒力を引き出す口内炎を完治させる自然治療法です。

どのような治療を選択すればよいのか?

口内炎は全身の免疫能の低下により起こる疾患であり、単一の原因で起こるものではなく、衣食住の環境因子が複合に絡み合っておこる慢性病です。また膠原病などの慢性炎症疾患やエイズなどの免疫不全症、ガンなどの部分症状である場合があります。

口内炎の治療を考える場合、

  1. 免疫抑制剤、抗がん剤などの全身の免疫を抑制する医薬品を投与されているときには、対処療法とともに医薬品の副作用を減じる方法を考える。
  2. 慢性炎症疾患の部分症状の場合、慢性炎症を止める治療を選択する。
  3. 通常の口内炎の場合、複合的な環境因子を一つ一つ丹念に取り除いていく。

また、口内炎は、精神的ストレスによっても発症します。精神的ストレスは大脳を通じて、全身の免疫系に影響を及ぼすからです。このことは、私が研究している「精神経免疫学」という学問で解明が進んでいます。

当研究所の自然治療方針は、口内炎という複雑系の病気に対して、心理サポートを含めた自己治癒力を向上させるため個人にあった多方面からのアプローチを行います。

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