◆「日本語翻訳での事実捻転」◆/パレオ協会ニュースレター

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こんにちは事務局の菅原です。

冬至を迎え、慌ただしい年の瀬をお過ごしのことと思います。

また、本日はクリスマスイブ。
サンタクロースからの愛は届くかな?

さて今回は、
とある論文の「日本語翻訳での事実捻転」から見る崎谷医師の警鐘です。
こうして学びを続けることで
ぜひとも真実を見る目を養ってまいりたいものです。

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■パレオ協会ニュースレター「日本語翻訳での事実捻転」
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みなさん、こんにちは。

崎谷です。

 

脂質のセミナーを受講された方から興味深い論文を紹介して頂きましたのでシェアしたいと思います。

 

Ⅱ型糖尿病患者を対象とした臨床試験です。

 

炭水化物の摂取を同カロリーの脂質(総脂質/飽和脂肪酸/一価不飽和脂肪酸/多価不飽和脂肪酸)に置き替えた場合の全死因死亡および心血管疾患死亡リスクと5年間の体重の変化を検討しています(Clin Nutr. 2015 Aug 28. pii: S0261-5614(15)00224-1)。

 

この時点でかなり恐ろしいことをしている臨床試験でびっくりしました。

なぜなら、糖尿病というのは2015年のパレオ総会でもお伝えいたしましたように、


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病だからです。

 

健康体であっても、炭水化物、つまり糖分を除いてしまうと体内の脂質やタンパク質をエネルギ―源としなければなりません。

これがもともと糖の利用障害のあるⅡ型糖尿病患者さんに行うのですから、“拷問”に近い実験ですね。

 

ちなみに、この実験では総カロリーの5%の糖分を脂質に置き換えることにしています。

 

さて、肝腎の結果は。。。

 

○まず7~11年のフォローアップ期間で死亡したのは全体の13%。心臓血管疾患で死亡したのは4%です。

○全死亡率のリスクは総脂質、飽和脂肪酸で置き換えた場合に上昇。一価不飽和脂肪酸(オリーブオイルです)では減少。

○心臓血管疾患で死亡リスクは、多価不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸で置き換えた場合に上昇。

○体重は総脂質、一価不飽和脂肪酸で置き換えた場合に減少。

というバラバラの結果(飽和/不飽和の結果がバラバラ)。

 

何も傾向を読めるような結果が読み取れません。

 

この論文全体は読めない(有料)なので、

総脂質の中身(飽和/不飽和脂肪酸の割合)やリスクはどの程度のものなのかは分かりません。

 

そしてこの手の臨床試験の問題は、すべて対象者に対して質問形式で行っていること。

 

自分でも3日前に何を食べていたかも覚えていませんよね。

おそらくメモをとらせていたとは思いますが、加工食品などにはさまざまな油脂が混在しています。

対象者個々人が正確にどれだけの油を摂取したかは厳密には分からないでしょう。

この手の研究(疫学的手法)は、非常に雑な臨床試験になってしまうのは仕方ありません。

 

さて、本当の問題はここからです。

 

なんとこの論文を紹介している日本語のサイトは、

「糖尿病患者では、炭水化物を飽和脂肪酸に置き換えることで心血管疾患死亡リスクが高まり、総脂質に置き換えると全死因死亡リスクが高まる。炭水化物を多価不飽和脂肪酸に置き換えると死亡リスクは低くなり体重減少につながる可能性がある。単に炭水化物を総脂質に置き換えるよう推奨するのではなく、栄養ガイドラインは飽和脂肪酸を多価不飽和脂肪酸に置き換えるなど脂質のサブタイプの置き替えに焦点を当て続ける必要があろう。」

(http://good-looking.at.webry.info/201511/article_7.html)

という文章にすり替わっています。

 

私が翻訳した臨床試験の結果と、この日本語のサイトの結論をよ~く見比べてください。

 

どこにも「多価不飽和脂肪酸に置き換える」メリットはこの論文からは読み取れません。

 

これは、日本人に多いサイエンスの「剽窃&捻転作業」です。

臨床試験の結果をそのまま伝えて考察するならまだしも、結果が考察(このサイトの結論)と大きくかけ離れています。

 

これはおそらく利益相反(あるいは自己保身)が絡んでいると思って間違いないでしょう。

 

英語の論文でもデータの改ざんや事実隠ぺいは日常茶飯事ですが、日本語に訳した時点でもこのような改ざんめいたことを行っているのです。

 

これを盲信した方(自分に都合のよいデータばかりを収集)が一般書として健康本を書き、それが大衆に拡がるという悪循環がこれまでの日本では起きています。

 

それを今回目の当たりにして驚きましたが、原理原則から考えておかしいものは何か裏があると思ってまずは疑ってみましょう。

 

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再び事務局の菅原です。

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