2024-10-26新月伐採

古民家リノベーションに使用する材木を伐採させていただきました。
11月の新月に伐採する材木は、宮大工にとっては建築の必須条件だそうです。
この時期に伐採し半年間、山で葉枯らしさせた材木は、虫がつきにくく、材に艶があり、しっかりと詰まり、柱として生きているのだそうです。
昔から音楽での楽器にも、このような材木を使用しているとのこと。

綾杉が杉の女王と云われる所以は、女性で初めての摂政として約70年間統治したとされる神功皇后が
約1800年前、福岡県香椎宮に綾杉を植えられました。これをマザーツリーとして、全国に広められました。 
当時、綾杉の葉をお守りとして使われ、現在でも毎年1月に香椎宮から綾杉の葉を天皇家へ献上されているそうです。

現代土木では、数本まとめて伐採できる機械を使ってハゲ山のような伐採をし、バイオエネルギーとしてチップにしたり、高音乾燥機を使って短時間で乾燥させ、薬剤に漬けて建築資材になります。

今回、全伐ではなく、間伐にて1本1本伐採していただきました。
自然を敬い、遺伝子組み換えを行なっていない綾杉を育てて森を四代に渡って大切に守ってこられています。

伐採後、樹齢90年になる幹から、樹木の歴史をたどりました。年輪の幅や線を見ながら気候や周辺の樹木の様子を教わりました。

木屑は、チーズのような香りがしました。
切り株は山へ残したまま、10〜20年は根が保水し大地の中で擁壁の役目をします。


天気予報では、午前中小雨、午後から雨予報でしたが、開催時刻10時前には小雨も止み、皆さん、見学会を楽しんでいただけたようです。


森にある石垣はとても立派でした。
山の基礎となる大きな石を積んで、隙間は水、空気が流れています。
大地再生結作業で習った空気と水の循環がありました。
自然の循環は人の循環と同じです。滞ればどこかで悲鳴を上げる時がやってきます。
滞りなく循環していれば、とても心地よい場が出来ます。


終了後、持参したおにぎりを頂き自宅へ帰りました。ハイビスカスローゼの塩漬けはクセがなかった。


早速、綾杉の葉を蒸留器へ。とても良い香りの蒸留水ができました。

翌朝、駐車場前で動かない鳥を見つけ、白米と水を与えようとしましたが口を開かず。
近所の方に尋ねたところ、鳥は火を通したものを食べないよ。と木陰へ避難させて頂けて安心しました。
数時間後、コンクリートに頭を打って倒れたまま動いていませんでした。
このタイミングでの出来事はとても感慨深いものがありました。
寿命を全うして土へ帰るタイミングだったのか、不慮の事故だったのか。
いずれにしても循環していることは間違いない。

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