◆パレオ協会ニュースレター◆  『キャナビス(大麻)について』


こんにちは 事務局です。今回はキャナビス(大麻)についてのご質問の回答とともに、現時点での私のキャナビスについての見解をお伝えいたします。

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(ご質問内容)

・最近MLMの広告等でもCBDについてのものが急に増えてきました。アメリカではどんどん市場が拡大して現在では400億円市場で
3年で3倍以上に膨れ上がるというニュースも拝見しました。

私のまわりでもCBD(麻由来でないものもふくめて)を服用する人が増えてきました。

すでに疾病があり疼痛その他でより良い方法を求めて使用する分には良いかと思いますが、健康維持のために服用することにたいして疑問があります。

エンドカンナビノイドの研究はまだ30年もたっていない状況で
安易にCBDを服用することを勧める風潮にたいして先生のご意見を伺わせてください。

よろしくお願いいたします

(回答)

・現在、動物実験等で使用されているキャナビノイド(cannabinoid)は、化学合成されたキャナビダイオール(Cannabidiol, CBD)単独の物質です。

・実際の大麻植物には、キャナビダイオール(CBD)以外にもテトラハイドロキャナビドール (tetrahydrocannabinol, THC)など400以上の微量元素が含まれています。実際の大麻は、これらの複数の物質が相互作用して効果を示します。これを「アントラージ効果(entourage effect)」といいます。

・キャナビダイオール(CBD)は、抗不安・向精神作用を持つのに対して、[hidepost=0]テトラハイドロキャナビドール (THC)は、その正反対の神経を興奮させる作用を持っています(Braz J Med Biol Res 2006;39(4):421–9)(Annu Rev Neurosci 2016;39:1–17)。[/hidepost]

・大麻を長期に渡って服用していると、統合失調症や各種の精神症状(幻聴や妄想など)が引きおこされることは、よく知られています(Biol Psychiatry 2016;79(7):526–38)(Int Rev Neurobiol 2007;78:289–326)。これは、大麻が[hidepost=0]言語機能、記憶、集中力などの脳の高次機能を低下させるからです(Biol Psychiatry 2016;79(7):557–67)。[/hidepost]

・私たちの体内でも大麻様物質(cannabinoids)が作られています。これを内因性カンナビノイド(endogenous cannabinoids, ECs)と言います。この内因性カンナビノイド(ECs)は、[hidepost=0]プーファから産生されます。以前はオメガ6系のアラキドン酸から、酵素反応で産生されるとされていましたが、オメガ3系からも同様に内因性カンナビノイド(ECs)が産生されることが分かってきました(Nutritional Neuroscience Published online: 07 Jul 2017)。[/hidepost]

・拙著『オメガ3の真実』に詳述しましたが、オメガ6とオメガ3は作用の強弱はあるものの、同じ作用をします(現代医学では真逆の作用をすると教えています)。内因性カンナビノイド(ECs)もオメガ6系、オメガ3系のいずれも作用の強弱はあるものの、同じ作用をします。

・これらの内因性カンナビノイド(ECs)は、様々な組織の細胞に発現しているキャナビノイド受容体(CB1, CB2)などに作用して様々な作用をします。そして、これらの受容体の分布は組織によっても異なりますし、成長の時期によっても発現が変化しています。

・さらにキャナビノイド受容体CB1とCB2では、[hidepost=0]逆の作用をすることも分かっています(Gut. 2016 October ; 65(10): 1721–1732.)。

・大麻は、内因性カンナビノイド(ECs)と同様に、様々な組織の細胞に発現しているキャナビノイド受容体(CB1, CB2)などの受容体に作用して、複雑な反応をもたらします。[/hidepost]

・臨床的に重要になってくるのは、[hidepost=0]大麻とコルチゾールの反応です。急性の大麻暴露ではストレスホルモン(コルチゾール)をアップさせますが、慢性の大麻摂取では、逆にストレス反応が鈍ります(コルチゾールが出ない)(Front Psychiatry. 2018; 9: 472)。薬物中毒の根源はストレスですから、大麻の慢性摂取によって、コルチゾールが低下する、つまりストレスを軽減できるのです(その代わりに精神症状が出やすくなる)。[/hidepost]

・問題はこのように複雑な生体反応を引き起こす大麻から特定の成分と抽出したり、[hidepost=0]化学合成したものを摂取することです。化学合成したテトラハイドロキャナビドール (THC)を投与した実験では、脳の認知機能が低下しましたが、アラキドン酸からプロスタグランディンなどの炎症性エイコサノイド(prostanoids, eicosanoids)の産生量が増えたことが確認されています(Cell 2013;155(5):1154–65.)。アラキドン酸から内因性キャナビノイド(ECs)が産生されますが、外部からテトラハイドロキャナビドール (THC)を与えることで、この経路がストップします。その代わりにアラキドン酸はより多く[/hidepost]炎症性エイコサノイドへ変換したのです。

・現在の主流な医学実験で使用される合成のキャナビダイオール(CBD)やテトラハイドロキャナビドール (THC)と実際の大麻とは違う作用を示すのは当然です。ハチミツからグルコース(ブドウ糖)だけを取り出したものと、ハチミツの効果が違うのと同じと考えれば分かりやすいと思います。

・以上から大麻には一定のストレス軽減作用などの効果が認められるものの、大麻から抽出した物質や化学合成したキャナビノイド(カンナビノイド)を使用するのは、デメリットがメリットを上回ると考えています。そして何よりも重要なのは、[hidepost=0]大麻や化学合成された抽出物もすべて、コンテキスト依存(生命場依存)で作用が真逆に変化することです。糖のエネルギー代謝が回っていないと、逆回転したときの対処ができません。[/hidepost]
(内因性カンナビノイドについて、エストロゲンとの関係が深く、『基礎医学シリーズ「生理学I」』に詳しく解説していますので、ご参考にして頂ければ幸いです)。
–2019年8月16日–
(参考記事)
『大麻も陰陽の原理に従う!』2018/9/6 崎谷博征FB
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再び事務局です。
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