アンチエイジングのための戦略
アンチエイジング(老化防止)の最大の方法は、老化の最大の原因である全身の慢性炎症を抑え、自己治癒力を高めることに集約されます。
老化・老年病の原因となる酸化ストレスによって引き起こされる炎症反応は、感染や異物に対しての攻撃機構として若いときには大活躍します。しかし、加齢とともに酸化ストレスが増加するとその炎症が慢性化します。慢性炎症は自分自身の細胞も傷つけてしまいます。
ですから、酸化ストレスを減らすことも大切なのですが、一度起こってしまった慢性炎症を止める作業も必要となります。これは一度起こった火事は、その火事の原因をストップすることも大切ですが、今燃え盛っている火そのものも消さないことには、私たちの細胞が燃えつくされてしまうのと同じです。
崎谷研究所のアンチエイジングの概要は、
- 酸化ストレスを軽減し、慢性炎症をストップする
- 生活習慣、環境要因を整えることで酸化ストレスに耐性をつくる
- 自己治癒力を高める
この治療方針はアンチエイジング(老化防止)のゴールデンスタンダードです。全身の慢性炎症を抑え、時間をかけてゆっくり自己治癒力を活性化ししていくという方法が最も確実で効果のあるアンチエイジング戦略となります。
皮膚若返り光線力学療法
ある種の可視ないし赤外線のレーザーや光源は、皮膚の外観に対し臨床的および組織学的(顕微鏡的)に有益な変化をもたらすことが報告されています。このことから、近年、光感作物質を用いて光線療法の効果を高めることが模索されています。
美容的治療における光線力学療法(PDTでは、光照射で活性化される5-アミノレブリン酸(5-ALA)などの外用薬による局所療法が行われています。今回、光感作物質を用いた光線力学療法(PDT)は、老化した皮膚を分子レベルで変化させ、これによりコラーゲン(I型コ ラーゲン、III型コラーゲン)産生が増加し、皮膚の外観が改善されると報告されました(Archives of Dermatology(2008; 144: 1296-1302))。
光線力学療法では、線維芽細胞内のミトコンドリアという器官を活性化するためにコラーゲン産生が高められるのでしょう。
論文の詳細はコチラ
→前腕部に日光による皮膚損傷を有する54~83歳の成人25例を対象に、この治療法を検討した。治療前に、皮膚損傷の程度が 評価され、生検試料が採取された。5-ALAを含む溶液を治療部位に塗布し、3時間放置した後、クレンザーで洗浄してからパルス色素レーザーを照射した。 被験者はその後、6か月のフォローアップ期間中に4~5回の再検査と生検を受けた。
光線力学療法後の組織サンプルでは、新たな皮膚細胞の成長・発達に必要なKi67蛋白質が5倍に増加していた。また、外皮の厚さは1.4倍になり、皮膚のおもな構成蛋白質であるコラーゲンの産生にかかわる酵素や他の物質も増加していた。