アンチエイジングとは

アンチエイジングとは2・老化防止のためにどのような方法を選択すればよいのか?

鳥類では病気でなく多くは老衰で死ぬことが観察されています。人間でも昔は、病気ではなく老衰でなくなることがありました。実はここにアンチエイジング・老化防止の鍵があります。

フローニンゲン大学医療センター(オランダ・フローニンゲン)のGert Holstege教授らは、世界最高齢だった女性の脳機能評価と死後剖検を行い、正常な脳機能が保たれていたとNeurobiology of Aging(2008; 29: 1127-1132)に発表しています。

このオランダ人女性は、の112歳時と113歳時に神経学的検査と心理検査では、機敏で自分の意見をはっきり述べることができ、国内外の政治やスポーツなど世間への関心が強いことがわかりました。また、おもに視力低下のため105歳で高齢者ホームに入居するまでは、自立した生活を送っていました。

112歳時と113歳時の神経心理学的検査では認知症の徴候は認められず、記憶力や注意力にも問題はなく、知力は60?75歳の平均値を上回っていました。

115歳で死亡した際に行った剖検では、体内のいずれの部位にもアテローム動脈硬化巣は認められませんでした。脳にはアルツハイマー病の特徴であるβアミロイドの沈着は全くなく、神経原線維変化もほとんど認められませんでした。

加齢に伴い、アミロイドの沈着などで脳細胞が死滅し、認知症が加速するというのは絶対法則ではないのです。健康に認知症もなく、健康寿命を全うすることができるのです。

老化は全身の慢性炎症によって起こる疾患であり、単一の原因で起こるものではなく、衣食住の環境因子が複合に絡み合っておこる一種の慢性炎症疾患です。遺伝子のオン/オフもすべては環境因子が細胞膜に信号を送ることで情報がリレーされて起こります。

老化現象は、インフルエンザウイルス感染症や結核のように、病原体→感染症という簡単な図式(線形病)ではなく、環境複合因子→慢性炎症という複雑系(非線形病)の形をとります。

したがって、アンチエイジングのためには単一の方法ではなく、多数のアプローチが必要となります。

また、老化現象は、精神的ストレスの影響が強く現れます。精神的ストレスや幼少時のトラウマ(本人が意識していない場合がある)が脳・免疫系に与える作用は甚大です。このことは、私が研究している「精神神経免疫学」という学問で解明が進んでいます。

当研究所の自然治療方針は、老化現象という複雑系現象に対して、心理サポートを含めたアンチエイジングの多数のアプローチを行います。

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