アンチエイジング:老化の症状と原因

老化・老年病の一般的な症状についてお話します。以下の症状のうち5つ以上該当するものがあれば、老化・老年病の危険信号と考えてください。

老化・老年病の症状

  • すぐに息切れする
  • 肌にハリがなくなり、皺が増える
  • 体がすぐに疲れる
  • 新しいことを覚えられない。最近のことを思い出せない。
  • 短気になり、感情のコントロールができない
  • トイレが近くなり、我慢できなくなる
  • 目が疲れやすくなる
  • テレビを見る時間が長くなる
  • 食事の喉の通りが悪くなる(痰がからむようになる)
  • 新しいことに挑戦していく意欲が減退する

アンチエイジング:老化の原因

老化・老年病の原因は他の病気と全く同じで遺伝と環境の相互作用ですが、生活習慣を含めた環境要因が非常に大きな役割を果たします。

老化の直接的原因は、細胞に対する酸化ストレスの多寡によります。酸化ストレスが高いと、細胞内のミトコンドリアから発せられるフリーラジカル(活性酸素)がミトコンドリア自身の遺伝子(DNA)、細胞膜、タンパク質、核の遺伝子などを傷つけます(ミトコンドリアは生命のエネルギー産生所です)。

特にミトコンドリア遺伝子が傷つけられると、ミトコンドリアが自殺の指令を細胞に出します。ある閾値を超えると細胞の自殺(アポトーシス)が実行されるため、細胞が死滅していきます。これによって皮膚、脳、心臓、筋肉、腎臓などの細胞が脱落していくことが老化・老年病の原因です。

アルツハイマー病などの認知症が40~65歳さらには高齢になってから発症するという時間差がかなりあるのは、個人が受けた酸化ストレス多寡が大きな原因となっています。

老化・老年病の進行もまったく同じです。若いときに酸化ストレスをたくさん受けた人はそれだけ老化・老年病の進行が速くなります。

百歳以上で心身健康な人の遺伝子を調べた研究があります。長寿で健康体である羨ましい人たちの遺伝子にはどのような特徴があるのでしょうか?

実はこれも核の遺伝子でなく、ミトコンドリアの遺伝子に変異が見つかったのです。その遺伝子変異によって、細胞内のミトコンドリア数が若干多くなります。

これがどうして老化を防いでいるのでしょうか?

ミトコンドリアは生命体のエネルギー産生所であり、かつ猛毒の酸素(すぐにフリーラジカルになって暴れまわる)を処理する生命の中枢です。

老化・老年病では細胞が早くから死滅しますが、これはエネルギーを産生するための酸素処理過程で漏れ出るフリーラジカルによって傷ついたミトコンドリアから自殺命令が出ることによります。また自殺命令を出すまで傷はついていないものの、損傷を受けたミトコンドリアの機能が低下していきます。

ミトコンドリアの数が多いと

  • 酸素処理過程でのフリーラジカルの産生を低下させられる
  • 傷ついたミトコンドリアの機能の代償ができる

という利点のため老化・老年病の原因となる酸化ストレスを軽減でき、老化・老年病に伴う臓器の機能低下を補うことができるのです。

遺伝的にミトコンドリアの数が普通であっても、ミトコンドリアの数を増やしたり、あるいは損傷を防ぎ機能低下を避けられれば、長寿で健康な人と同じように過ごすことができるのです。

老化に伴う病気で代表的なものは何といってもガンです。

ガンのは発生には、発ガン物質として有名なタバコ、ラドン、石油化学物質、アスベスト、毒性物質、紫外線などのほかに私たちのライフスタイルが発がんと強く関係していることが分かっています。

米国では1990年代初期から、25・4歳の4大がん(肺がん、乳がん、前立腺がん、大腸がん)の死亡率が低下しています。エモリー大学のグループは、種々の統計データを用いて、1993・001年のこの年齢層の4大がん死亡率を学歴別に比較しました(Kinsey T, et al. J Natl Cancer Inst 2008; 100: 1003-1012. )。

その結果、少なくとも16年間教育を受けた男女および人種層では、黒人女性の肺がんを除いて、各がんの死亡率はすべて有意に低下していました。対照的に、教 育歴が12年未満の人々では、死亡率の有意な低下が認められたのは白人女性の乳がんのみで、白人女性の肺がんと黒人男性の大腸がんの死亡率はともに有意に 上昇していました。

この米国における近年の主要ながんの死亡率低下は主として高学歴層の死亡率低下を反映している結果は何を意味しているのでしょうか?

がんのような老化に伴う病気は特に生活習慣によって予防や進展防止が可能であることを示しているのです。生活習慣改善を馬鹿にせずに実行した方には健康という経済的にも見合う財産を享受するでしょう。



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