乳がん(ガン、癌)の原因

乳がん(ガン、癌)の原因1

乳がん(ガン、癌)の原因は他の病気と全く同じで遺伝と環境の相互作用ですが、西洋諸国で罹患率が増加していることから、生活習慣を含めた環境要因が非常に大きな役割を果たしていることが推測されます。環境因子と関係するガンは全体の90%にのぼると見積もられています。

乳がん(ガン、癌)細胞が発生するためには、核の遺伝子遺伝子(DNA)の突然変異によって、増殖のスイッチがONの状態のままになります。通常は、このような異常細胞が出現した場合は、細胞のミトコンドリアが自殺命令を出すことで異常細胞である乳がん(ガン、癌)細胞を消し去ります。このミトコンドリアの自殺機構(アポトーシス)がダメになると乳がん(ガン、癌)細胞の増加を止めることが不可能となります。

また白血球も乳がん(ガン、癌)細胞などの異常細胞を攻撃して、バラバラに分解するのですが、この一連の炎症反応もミトコンドリアが鍵を握っています。

まとめると、ミトコンドリアの機能異常や数の減少によって、乳ガンの発生を許し、私たちの命が奪われるまで乳がん(ガン、癌)細胞は無限大に増殖していくのです。また、そもそもの核の遺伝子の突然変異も紫外線などの特殊な外因性物質を除けば、ミトコンドリアで発生するフリーラジカル(活性酸素)によって引き起こされるのです。

そしていったん乳がん細胞が出来上がると、環境によるエストロゲン様物質あるいは肥満(いずれも現代社会の環境刺激)によるエストロゲンの皮下脂肪の蓄積などにより、エストロゲン感受性乳がんの進行が加速されます。

乳がん(ガン、癌)の原因2

乳がん(ガン、癌)発症の遺伝子病変としてはBRCA1遺伝子の突然変異が想定されています。BRCA1遺伝子の突然変異がある場合は、家族性に乳がんと卵巣がんに罹りやすくなります。

BRCA1遺伝子の突然変異がある場合の生涯に乳がん(ガン、癌)発症の確率は85%になります(卵巣がんでは50%)。

乳がん(ガン、癌)の原因3

発ガン物質として有名なタバコ、ラドン、石油化学物質、アスベスト、毒性物質、紫外線などのほかに私たちのライフスタイルが発がんと強く関係していることが分かっています。

米国では1990年代初期から,25?64歳の4大がん(肺がん,乳がん,前立腺がん,大腸がん)の死亡率が低下しています。エモリー大学のグループは,種々の統計データを用いて,1993?2001年のこの年齢層の4大がん死亡率を学歴別に比較しました(Kinsey T, et al. J Natl Cancer Inst 2008; 100: 1003-1012. )。

その結果,少なくとも16年間教育を受けた男女および人種層では,黒人女性の肺がんを除いて,各がんの死亡率はすべて有意に低下していました。対照的に,教 育歴が12年未満の人々では,死亡率の有意な低下が認められたのは白人女性の乳がんのみで,白人女性の肺がんと黒人男性の大腸がんの死亡率はともに有意に 上昇していました。

この米国における近年の主要ながんの死亡率低下は主として高学歴層の死亡率低下を反映している結果は何を意味しているのでしょうか?

がんのような老化に伴う病気は特に生活習慣によって予防や進展防止が可能であることを示しているのです。生活習慣改善を馬鹿にせずに実行した方には健康という経済的にも見合う財産を享受するでしょう。

乳がん(ガン、癌)の原因4

乳がん(ガン、癌)とエストロゲンホルモンとの関係
女性の生涯でエストロゲンホルモンの暴露期間が少ないほど、乳がん(ガン、癌)の発生率が低いことが報告されています。
  具体的には、乳がん(ガン、癌)の発生率は

  • ○初潮が遅い女性(乳がんの発生を50~60%低下させる)
  • ○閉経が早い女性(乳がんの発生を35%低下させる)
    に少ないことが分かっています。
  • ○また妊娠経験のない女性も乳がん(ガン、癌)の発生率が高くなります。
  • 乳がん(ガン、癌)の治療3

    乳がん抗体医薬ハーセプチン(トラスツズマブ)について

    乳がんの細胞表面にヒト上皮増殖因子受容体2型(HER2)と呼ばれる突起が見つかっています。乳がん患者さんの20~30%にこの受容体が過剰にあることが分かりました。特に、乳がん細胞増殖速度の大きい転移性乳がんの治療に効果があると報告されました。

    ヒト上皮増殖因子受容体2型(HER2)という突起が隣の突起と結び付くこと、それが引き金になって細胞が分裂・増殖し始めます。

    おそらく何らかの環境因子でヒト上皮増殖因子受容体2型(HER2)を作りだす遺伝子にスイッチが入り、乳がん細胞の表面に通常より多く出来てしまうことによります。

    さてハーセプチンは、この突起と結び付いて、突起の隣どうしが結びつかないようにブロックすることで乳がん組織の増殖を止めます。

    また、ハーセプチンは突起と結合することが引き金となって、自然免疫が活性化されて、乳がん細胞を撃退していくという作用もあります。

    ハーセプチンは乳がん患者さんの約3割程度に効果があるとされています(これは乳がん患者さんの20~30%のみにヒト上皮増殖因子受容体2型(HER2)が過剰にあるからです)。

    ですから、ハーセプチンは乳がんそのものを根治させるというより、ヒト上皮増殖因子受容体2型(HER2)が過剰にある乳がん細胞に働いて増殖を抑えるものと考えた方がよいでしょう。根治療法としては、むしろヒト上皮増殖因子受容体2型(HER2)を作りだす遺伝子にスイッチを入れる環境因子を含めた生活習慣を変えていく必要があります。



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