Q&A 『生牡蠣の食中毒と鉄について』


生牡蠣の食中毒と鉄についてのご質問に回答いたします。

(ご質問内容)
崎谷先生お世話になっております。

今回の新型コロナとバクテリアの関係から鉄の話に興味を持ち、先週”鉄総集編”のDVDを拝見しました。とてもボリュームがある内容で色々とインスピレーションを受けました。

オイスターも鉄過剰になるので気をつけましょうというお話を聞いた時に、ふと昔の職場の上司を思い出しました。
彼は生牡蛎が大好きで韓国出張の際には必ず食べ、毎回あたるそうです。
「生牡蛎が好きだから毎回死にそうになっても食べたい」と豪語していたのすが、よく思い出すとお腹がはちきれそうで典型的なメタボ体型でした。

そこで気づいたのですが、この上司が毎回生牡蛎であたるのは、プーファリッチな体質と生牡蛎摂取による一時的な鉄過剰の条件が重なり、バクテリア増殖による炎症が起こりやすい状態だったのかなと考察したのですが、いかがでしょうか?

私も生の岩牡蛎にレモンを絞って食べるのが大好きですが、あれもレモンのビタミンCが鉄吸収を促進させるので鉄過剰の人には要注意なのですね。

しかし鉄の奥深さには驚愕しました。

2年前に鍼灸師の資格を取ったのですが、3年間で詰め込んだ生理学や医療概論系の教科書にも”鉄は能動的に排出されない”とは記載がないので、こんな大事な内容が履修項目に入っていないとは。鉄のことを知るだけで、いろいろな病態の疑問が解けていきました。今担当している難病患者の根本原因もヒントが掴めそうです。

また鍼灸にも瀉血がありますが、瀉血治療の有効性が鉄過剰に対するものだとわかり腑に落ちました。総集編での”瀉血治療は昔からある”というお話は東洋医学だけでなく西洋医学でも存在したということでしょうか?

”鉄を制するものは世界を制す”そんな時代もあったと思いますが、”鉄を制するものは健康をも制す”という重要な気づきをいただきありがとうございます。

どうぞよろしくお願いいたします。

(回答)
・ 生牡蠣には、腸炎を引き起こすビブリオ菌、サルモネラ菌などのバクテリアがコンタミネーションしています(Front Microbiol. 2015; 6: 144)( Microbiol Res. 2019 May;222:43-51)( Appl Environ Microbiol. 2005 Feb; 71(2): 893–897)。A型肝炎ウイルスが認められることがよく報告されますが、これは


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で過剰の鉄の吸収を防ぐことが重要です。

・瀉血療法は、ロックフェラー財団が石油(製薬)に基づく西洋医学を確立する前の時代において、あらゆる慢性病に対する主要な治療法でした。

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